アクア・マーストには元外資系企業勤務、ヨーロッパ各地を巡る駐在員生活を経て結婚、現在ドイツ在住の女性スタッフがいます。
海外在住歴は延べ20年以上、海外で頑張る独身女性・駐在員妻・ママ友も多く、20年の間に様々な立場の海外在住日本人女性と交流してきました。

もちろん、自由に自分らしく、しあわせに生活している女性が大半ですが、海外で生活するということは「移民」として生活するということ。理不尽なめに遭うことも少なくないですし、その選択には自己責任が伴います。

悲しい相談を友人から寄せられるたび、彼女は「こんなことは、若くて独身だった時には想像もしなかった。その年齢、その状況にならないとわからないことがたくさんある」と痛感するそうです。
そんな彼女が最近見聞きしたこと、これから婚活する人が知っておいて損はない事例を、いくつかご紹介したいと思います。

ケース1「パートナーの心変わり…不倫の慰謝料もなく離婚を迫られた国際結婚」

欧米人の価値観は”夫婦は「好き」という気持ちがなくなったら終わり”であって、そこに家族としての情、子どもの親としての連帯感は期待できません。仮面夫婦という考えはありませんし、彼らにとって単身赴任や別居婚も理解不能な価値観です。何処に行くにもパートナー同伴が基本ですし、コミュニティからもその行動が求められます。だからこそずっと恋愛感情が維持できるようお互い努力もします。しかし、一旦恋愛感情がなくなったら・・・離婚の結論が出るのも早いです。(ドイツでは1年の別居期間はじゅうぶんな離婚事由になります)

また、婚姻中に他の人と恋愛関係になったとしても(不倫ですね)、それを理由にパートナーから訴えられることはありません。慰謝料も発生しません。極端な話、婚外子を設けていたとしても「精神的苦痛を受けた」として、パートナーやお相手女性から慰謝料は取れないのです。

ヨーロッパ人と結婚し、子どももいるママ友から「夫から20歳も若い女性と結婚したいから離婚してくれ、と迫られている。婚前契約をしているから財産分与はしてもらえない。結婚してから専業主婦をしていたから、仕事探しが難航している」という相談を受けたときには、とてもつらく心が痛みました。「婚前契約」は日本人にはなじみのないものですが、欧米では一般人でも普通に交わします。ですが、内容はよく読んで、しっかり話し合ってください。結婚するときは誰しも離婚のことなんて頭をよぎりません。一生添い遂げるつもりで結婚するので、この婚前契約をよく読まずにサインしてしまうと、万一離婚になったとき、彼女のように経済的に追い詰められることになります。

特に、高収入の男性と結婚する場合、ヨーロッパでは税制の面から奥様が専業主婦を選ぶケースがままあります。日本の扶養控除と似たものがあり、その控除額は高収入の場合はかなり大きいのです。彼女も専業主婦をしており、離婚に伴っていざ再就職先を探しても、かつて彼女が海外で得ていたような待遇・給与は望むべくもありませんでした。海外であっても、一旦退職してしまえばキャリアは終了です。そこは日本と変わりません。もっというと、移民にとっての再就職は一層シビアな条件になります。

彼女は日本に本帰国することも視野に入れていますが、子どもは連れて帰れません。

日本もハーグ条約に加盟したので、元パートナーの同意なく子どもを日本に連れ帰ったら、それは犯罪になってしまいます。その後、連れ去った親はその国に入国制限される可能性が高まります。

彼女は子どもと会えなくなることがつらく、本帰国の決断ができないまま、現地の最低賃金で今はなんとか仕事をしています。独身時代の彼女なら、絶対に選ばなかった仕事であり、日本であればしなくてよい苦労をしています。

彼女は、パートナーから離婚を迫られたので応じざるを得ませんでしたが、パートナーに相当不満があっても、離婚したら生活に困る(子供を置いていけない)から、我慢して生活している日本人女性は、実際少なくありません。自分らしく、自由に生きたくて海外に来たのに、残念な結末です。

また、離婚となると、ヨーロッパでは裁判離婚が主流です。弁護士を雇う必要があり、最低でも50万円は費用がかかります。これはもめていないケースで、もめると裁判も長引くので、裁判費用はどこまでも高額になります。知人で1万2千ユーロ(192万円)支払った人を知っています。

夫婦の価値観の部分は国際結婚で気をつけるべき点ですが、後半の離婚裁判やハーグ条約など、法的な部分については、現地在住の日本人と結婚した場合も、同様に知っておくべきことだと思います。

海外で結婚するなら心構えとして:

  • たとえパートナーが高収入で、税制面で優遇があったとしても、自分の仕事は手放さない
  • 自活できるだけの収入を維持する

(もしパートナーから家庭に入ってほしいと望まれ、自分もそれを望むのならば、永遠に夫婦関係が破綻しないよう精いっぱい努力しましょう。子はかすがい、は東アジア的価値観です)


ケース2「老後の心配…認知症で母国語以外を忘れてしまう」

現役時代は同時通訳者として活躍していた女性が、認知症を発症し、日本語以外話せなくなってしまった様子を目の当たりにしています。とてもせつなく、悲しく、また正直なところ「いずれ私自身もそうなるのではないか?」という不安を今は抱えています。

現地採用で働く女性様、今は若く、気力体力もあり、海外なら男性と同等の収入・キャリアが得られる、努力と能力でなんでもできる!と思っているでしょう。私もかつては、そう思っていました。円安が続く状況では、海外で働く方が資産形成にも有利な点があるのは事実です。

ですが、老いは誰しも平等に訪れます。年齢を重ねたとき、今と同じ仕事・収入・待遇が維持できるのか?シビアに客観視してください。海外に骨を埋める覚悟があるのか?今一度自分の心に尋ねてみてください。

いずれ、語学能力は衰えます。現地の老人ホームに入ったら、周りは理解できない言葉を話す人ばかり、食事はパンとチーズだけ・・・それって悲しくないですか? 私は正直、ぞっとしています。老後は日本に帰りたいと思って、日本の不動産情報を見るのが最近の趣味になっています。

独身既婚に関わらず、今後も海外で生活するなら心構えとして:

  • お金はたいていのお悩みを解決します!海外にいる間は貯金に精を出しましょう!日本で言うNISAのような税制上有利な金融商品があれば、ぜひ利用しましょう。
  • 現地で年金を払っている場合は、日本との年金協定があるのか?年金受給資格を得るための最低支払い年数を必ず確認してください。
  • 今は考えられなくても、状況が変わることで日本に帰りたくなることもあるかもしれません。日本の国民年金に任意加入しておきましょう。将来、海外の年金と日本の年金2つを受け取ることができます。


アクア・マーストでは、成婚のタイミングはプロポーズ後~入籍直前まで、会員様のタイミングで選んでいただけます。海外ならではのお悩み・問題(ビザ取得、現地の入籍など)も、自分一人で抱え込まず、担当に相談しながら進めてください。

成婚退会後も、アフターフォローとして、随時無料でご相談をお受けしています。

海外在住スタッフは、長年の海外生活で様々な事例を見ているからこそ「海外で頑張る女性様には必ずしあわせになってもらいたい!不幸になってほしくない!」といつも申しています。悲しい話を聞くたびに身につまされ、とても他人事とは思えないのです。

そんな海外在住スタッフが日々発信する日常ブログ、ぜひご覧ください。

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